<滑る床の危険性とは>
「滑る床」はわんちゃんにとって足腰に負担をかけるため、関節系の病気の原因になりえます。
わんちゃんは走る時に爪を地面に食い込ませ、地面を蹴って走ります。床が滑るとうまく爪を食い込ませることができず、滑るためうまく歩くことができません。常に踏ん張りながら歩いている状態なのでかなり足腰に負担がかかります。
<予防策は滑り止め対策>
一日の中で家で過ごす時間の多いわんちゃんにとって床の滑りによる日々の足腰の負担は積み重なれば、大きな負担になります。
今では日本の7割の家庭の床材にフローリングが採用されているため、わんちゃんを飼っている家庭では、何かしらの滑り止め対策は必須になってきます。
もくじ
床の滑りやすさが原因でなる関節系の病気
床の滑りやすさはわんちゃんの足腰に負担をかけることがわかりました。では、その足腰の負担によってどのような病気のリスクがあるのでしょうか?
犬種によってなりやすい病気が変わりますが、どの犬種でも絶対この病気はならない!ということはないので、全ての飼い主さんが知っておく必要があります。
椎間板ヘルニア
①椎間板ヘルニアとは
椎間板は、背骨の骨と骨の間のクッションの役割をしているもの。
その背骨のうえに大きな神経(脊髄)が走っています。
椎間板(骨の間のクッション)が飛び出し、脊髄(神経)を圧迫することで「椎間板ヘルニア」は起こります。
②症状
主に痛みや神経麻痺
・足の感覚が鈍くなる
・歩けない
・ふらつく
・排尿障害
・腰が立たない
・四股に麻痺がある
軽度であればなかなか症状に気づけないことも多い病気です。
進行すると、足元がふらついたり、引きずったりするような歩き方をするのでそういった様子が見られたら注意が必要です。
③原因
・老化
(加齢による椎間板ヘルニアはどの犬種でもかかる可能性があります。)
・外傷
・激しい運動
・遺伝
④椎間板ヘルニアを起こしやすい犬種
・ミニチュアダックスフンド
・トイプードル
・チワワ
・フレンチブルドック
・ウェルシュコーギーペンブローク
⇒基本的に手足の短い犬種は遺伝的にかかりやすい傾向にある
⑤予防法
①腰に負担かけない
太りすぎはわんちゃんに大きな負担をかけます。
子犬の時からバランスの良い食事管理と適度な運動で柔軟な筋肉をつくっておくことや、日頃から太らないよう管理してあげることが大切です。
②無理な姿勢をとらせない
二本足で立たせる、仰向けに抱くなど無理な姿勢はとらせない
③階段やジャンプに注意
階段の上り下りやジャンプも注意が必要です。
段差の低いステップやスロープを設置したり、腰に負担のかかる行為をしたときは良くないことをしっかりしつけすることも予防のひとつです。
④滑りにくい環境を整える
・滑って腰をひねる
・変な体制になって腰に負担をかける
こういった状態も椎間板ヘルニアになりやすいです。
足裏の毛のカットも忘れずに行いましょう。
膝蓋骨脱臼
犬の関節疾患で多いのが「膝蓋骨脱臼」です。
小型犬は子犬の頃から発症する可能性がるのであるので特に注意が必要です。
①膝蓋骨脱臼とは
膝蓋骨は膝にあるお皿のような骨。
膝蓋骨が正常な位置から内側または外側に外れる状態を「膝蓋骨脱臼」(通称パテラ)といいます。
②症状
・スキップのような歩き方
・一本の足が床につけない
・スムーズに歩けない
・抱っこのときに「キャン」と鳴く
・散歩を嫌がるようになった
・段差を登ろうとしない
※グレードによって出てくる症状は違います。
進行すると足をひきずったり、痛がったり、歩けなくなることもあります。
初期の頃は症状がないことがほとんどで気づくのが難しいです。
少しでも違和感があったら病院で診てもらうのが安心です。
③原因
<先天的なもの>
犬の骨格や体形が原因
特に5kg未満の小型犬は先天的な要因で発症しやすいので早期発見が大切。
成長に伴なって骨の形成時に膝蓋骨脱臼を発症しやすいです。
<後天的なもの>
膝に大きな力が加わることで突如発症します
・高いところから飛び降りた際に足や膝を強く打つ、足を滑らせることによる転倒
・滑りやすい床の上での生活による足腰の負担
他にも、遺伝的になりやすい犬種以外にも脱臼はさまざまな要因で発症する可能性があります。
例えば、わんちゃんの食生活における栄養障害が原因で発症するケースもあります。
④膝蓋骨脱臼を発症しやすい犬種
(内側に外れる)
・トイプードル
・ポメラニアン
・チワワ
・ヨークシャーテリア
(外側に外れる)
・ミニチュアダックスフンド
・大型犬
⑤予防法
・滑りにくい床にする
・高いところから飛び降りないようにする
・太りすぎないよう体重を管理する
・関節をケアできるサプリの摂取
骨折
①骨折とは
骨折とは骨が損傷すること。
骨折とひと口にいっても完全に折れてしまったり、ヒビが入ったり、骨がかけてしまったり状態はさまざまです。
②症状
・触ると痛がる
・折れている箇所が熱を持っている、腫れている
・折れている箇所をしきりに舐める
・排尿障害
・足をひきずっている
・歩くのを嫌がる
・足が曲がっている
③原因
・ソファなど高さのあるところから飛び降りる
・階段から滑り落ちる
・フローリングの床で滑って転んだ
日常のちょっとしたことでも骨折してしまうことがあります。
④予防法
【環境】
・滑りやすい床は骨折を引き起こしやすくなるので、滑り止め対策をしてあげましょう。
・危ないところに行かないようしつけることも大切です。
【生活習慣】
・強い骨をつくるために栄養バランスの摂れた食事を与えるのも効果的・
・適度な日光浴も丈夫な骨をつくるために欠かせません。
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