
近年「ペットは家族の一員」という考えが一般的になってきて、「ペット飼育可マンション」も増え続けています。それに伴ってマンションで犬を飼う方も増加傾向にあります。
しかし、ペット可のマンションであってもどの犬種でもいいというわけでもありません。マンションの飼育に向いている犬種とそうでない犬種があります。また、トラブルを回避するためにいくつか注意したいポイントもあります。分譲は気軽に住み替えられる賃貸とは違い、長く住み続けることが前提となるケースが多く、事前の検討はより慎重になりますよね。
今回この記事では、「ペット可の分譲マンションを購入する前に確認しておきたいこと」を詳しくご紹介していきます。分譲マンションで犬と住むことを検討されている方に向けた記事となります。
もくじ
マンション飼育に向いている犬の種類や性格
一般的な新築分譲マンションの飼育細則では、「体長40~50センチ以内、体重10㎏以内(成獣時の大きさ)」かつ「飼育頭数は原則2匹以内まで」とされているケースが多く見られます。
とくにワンちゃんの場合は、ほとんどの物件で「体重10㎏を超える中型犬・大型犬の飼育は不可」とされています。基本的に飼育できる犬種が限られていますので注意しましょう。
(1)体重の軽い小型犬
マンションで犬を飼うときは、基本的にマンションの共用部では他の入居者と接触を避けることがマナーです。
マンションの共用部では、実際にこういった飼育原則もあります。↓↓
・犬をキャリー等に入れる
・抱いて移動すること
体重が軽い小型犬は、抱っこやケージに入れて共有スペースを移動しやすいですが、中型犬や大型犬はこういった移動時のマナーを考えると飼育が難しくなります。
(2)無駄吠えの少ない犬種
同じ犬種でも犬によって性格は異なりますが、一般的に「ビーグル」「コーギー」「ダックスフンド」「ジャクラッセルテリア」など猟犬として改良された犬種は「鳴き声が通りやすくよく吠える」と言われています。
警戒心の強い「ポメラニアン」は飼い主の留守中に不安を感じて無駄吠えすることも多いです。
こういった犬の鳴き声はペット可マンションであっても近隣住民からの苦情になりやすいため注意が必要です。
比較的大人しい犬種である「トイプードル」「キャバリア」「マルチーズ」や、性格が温厚で吠えにくい短頭種の「パグ」「フレンチブルドック」などはマンションで飼育するのに相性のいい犬種といえるでしょう。
(3)体臭や抜け毛が少ない犬種
小型犬は大型犬と比べると比較的体臭が少ない傾向にありますが、毛の特徴などによって体臭は変わります。犬の毛には、一次毛である「シングルコート」と二次毛である「ダブルコート」がありますが、一般的にシングルコートの犬種(トイプードル、マルチーズ、シーズーなど)のほうが体臭は発生しにくく、抜け毛が出にくいとされています。しかし、健康な皮膚や美しい被毛を維持するには、定期的なブラッシングやトリミングなど日ごろのお手入れは欠かせません。
マンション暮らし向きの犬種
①トイプードル
トイプードルは数ある犬種の中でも飼いやすいと言われています。特有のにおいもなく、抜け毛も少なく、優しく穏やかな性格です。また、賢い犬種でしつけがしやすいです。運動が大好きですが、体が小さいので広いスペースを用意する必要はそこまでなく、マンションでの飼育に適しています。運動量は必要なので、毎日のお散歩は欠かせません。
②シーズー
初心者でもしつけがしやすいと言われているシーズーは、人懐っこくて甘え上手。初めて会う人や犬ともすぐに仲良くなれます。ふさふさの長い毛並みが特徴ですが、抜け毛が少なく、賢くて無駄吠えも少ないです。大人しいので、近隣住民との騒音トラブルになりにくいです。
③チワワ
チワワは適切な運動量の確保は必要なものの、毎日の短い散歩や室内の遊びで運動量が足ります。また、体重が軽く、多少家の中を走りまわっても足音がそこまでうるさくならないので、マンションでは特に飼いやすいです。しかし臆病な性格で、物音や来客で吠えやすいです。無駄吠えをしないトレーニング、音に慣れる訓練は必要です。
④マルチーズ
出典:photo AC
マルチーズは順応性が高く、性格は朗らかです。愛情深い性格で家族と一緒にいることを好みます。アクティブば性格なので、毎日の散歩やおもちゃ遊びは欠かせません。抜け毛が少なく、毎日のブラッシングで清潔に保てます。賢い性格で無駄吠えも少ないのでマンションでも飼いやすいです。
⑤パグ
出典:photo AC
フレンチブルドックにも似ていますが、パグの方がひと回り小さく小型犬に分類されます。陽気で人懐っこく、飼い主以外の人やほかの犬とも仲良くできます。ほとんど吠えない大人しい犬種ですが、吠えたとしても吠え声は小さめ。マンションでの暮らしに適しています。抜け変わりのペースが速いので、抜け毛は多いです。また、花が短い犬種は温度調節が苦手。温度調節にはとくに気を遣いましょう。また、太りやすい犬種、食事と運動管理も必須です。
マンション暮らしに向いていない犬種
・走るのが好きで活発
自由に走り回るのが好きなワンちゃんにとって、行動範囲の狭いマンション暮らしはストレスが溜まってしまうかもしれません。
・よく吠える
よく吠えるワンちゃんは、近隣住民世の騒音トラブルになりかねません。
・大型犬
基本的に大型犬は分譲マンションで飼育することができません。大型犬に限らずですが、それぞれのワンちゃんの運動量に合わせた十分なスペースがないとワンちゃんにとっても飼い主にとってもストレスになってしまいます。また、大型犬の場合はグルーミングスペースなんかも必要です。
・運動好きな牧羊犬や狩猟犬
「ボーダーコリー」「テリア」「ダックスフンド」
・飼い主以外に警戒心の強い犬
「柴犬」
・遠吠えをする犬種
「ビーグル」「ダックスフンド」
ただし、ワンちゃんにもそれぞれ個性があります。犬種だけで判断できないところはありますが、これから新居でワンちゃんをお迎えする予定のある方は是非参考にしてみてください。
マンションで犬を飼うときのルール
事前に管理規約を確認する
「ペット可」「ペット共生型マンション」であっても好きな犬種を何頭でも飼えるわけではありません。飼育の決まりがそれぞれの管理組合によって定められています。
・管理組合へやの飼育申請
・犬種
・頭数の上限
→「一戸あたり、犬猫2匹以内」など数に関しても厳密に決められています
・サイズの上限(小型犬限定など)
・共用部でのルール
・ベランダや専用庭でのルール(ペット専用導線など)
・予防接種、ワクチン接種、不妊・去勢手術の義務付け
・一定のしつけを行うこと
・しつけ教室に通っていること…など
規約は各マンションの管理組合が決めるものなので、マンションによって千差万別。あとから内容が変わることも。
~後編はこちらから~
「【後編】犬と暮らす新築分譲マンション|マナーや注意点、物件選び」 ↓↓