種類ごとにフロアコーティングの特徴を知る
フロアコーティングを検討していると、種類が沢山あって、どのフロアコーティングにすればよいか迷ってしまいますよね。フロアコーティングは種類によって耐久年数・傷の付きにくさ、仕上がりの光沢感、滑り止め具合等が違っています。
1種類のフロアコーティングしか取り扱っていない会社に問い合わせをする場合は、その種類の良い話ばかりになってしまうので、違う種類のフロアコーティングを他で話を聞いてみると良いです。
フロアコーティングの種類で人気No1のフロアコーティングが全員におすすめとは限りません。ライフスタイルに合ったフロアコーティングを選ぶことが後悔しないためのフロアコーティング選びになります。
■傷の付きにくさでフロアコーティングを選ぶ
フロアコーティングをお申込みされる方の声で一番多く聞かれることが、「傷の付きにくさ」です。フロアコーティングをしていても、重い物や、鋭利な物を落とせば、フローリングに傷が入らなくても、フロアコーティングの表面に傷は付いてしまいます。フロアコーティングの塗膜が硬ければ硬いほど傷に強く、長期にわたってフローリングの美観を保ってくれます。
傷が付きにくいコーティングは、特殊UVコーティングのグッドライフコート色が塗膜硬度9H、ハードガラスコーティングのグッドライフコートクリスタルが塗膜硬度8H、ガラスコーティングのグッドライフコート竹が塗膜硬度7Hとなっています。
反対に塗膜硬度が低く傷が付きやすいコーティングは、水性コーティングやシリコンコーティングなので、傷が付きにくいフロアコーティングを希望される場合は、この2つは除外した方が良いです。
■耐久年数でフロアコーティングを選ぶ
フロアコーティングの耐久年数は5~35年と種類によって大きな開きがあります。長期にわたって耐久があるフロアコーティングを選んでおけば、定期的にフロアコーティングを依頼する手間がかかりません。定期的なフロアコーティングの施工は、家具の移動が必要だったり、前回塗ったフロアコーティングの剥離が必要だったりと、新築時の施工より割高になることがあります。また、速乾性のフロアコーティング以外のフロアコーティングだった場合、フロアコーティングが固まるまで入室が出来ないという問題も出てきます。
長期にわたって耐久があるフロアコーティングは、ハードガラスコーティングのグッドライフコートクリスタルが35年、特殊UVコーティングのグッドライフコート色・UVコーティングのグッドライフコート光・ペットの為のフロアコーティングのドッグライフコートが30年の耐久があります。
■仕上がりの艶感でフロアコーティングを選ぶ
仕上がりの艶感はお部屋の雰囲気を大きく変える為、インテリアデザインの大きな要素になっています。高光沢でお部屋を明るくしたい人は艶感の高いフロアコーティングがおすすめで、反対にマットな質感が好きで、フローリングの木の温もりを残すような自然な仕上がりが好きな人は光沢控え目のフロアコーティングがおすすめです。
フロアコーティングで艶が出るのは、①塗膜の厚さ②プライマー(下地塗料)の有無によります。シリコンコーティングとUVコーティングが光沢があるのは塗膜が厚い為です。
艶なしUVコーティングという商品を展開しているところもありますが、本来艶がでてしまう施工方法を無理やり艶消ししている為、施工後フロアコーティングの不具合が生じやすくなりますのでお勧めは致しません。
艶を消すために、プライマーを塗らず一層塗りで仕上げれば、フローリングとの密着が悪く、数年後には剥がれてしまいますし、コーティング剤に艶消し剤を入れて施工すれば、余計な成分をコーティング剤に入れる為、本来の性能が損なわれてしまいます。
光沢があってお部屋が明るくなるフロアコーティングは、UVコーティングのグッドライフコート光と、シリコンコーティングのグッドライフコート松になります。自然な仕上がりになるフロアコーティングは、ハードガラスコーティングのグッドライフコートクリスタルとガラスコーティングのグッドライフコート竹になります。
■使える薬品でフロアコーティングを選ぶ
毎日のお掃除で気になるのが、使える薬品の種類。間違った洗剤を使ってフロアコーティングがダメになってしまわないか心配なところだと思います。フロアコーティングの中で水性コーティング以外はある程度の耐薬品性があり、水拭きOK・アルコール拭きOKとなっています。
水性コーティングは水性という言葉の通り、水性マジックをイメージすればよく分かりますが、水やアルコールに弱く、水拭き・アルコール拭きを頻繁に行うと、コーティングが溶けていってしまいます。
水拭きOKの水性コーティングも開発されてきましたが、あくまで従来の水性コーティングと比較して溶けにくいというだけで、何度も水拭きをすれば塗料が溶けて行ってしまいます。
使える薬品で他のフロアコーティングより耐性があるのが、UVコーティングになっています。UVコーティングは塩素系の薬品にも耐性あり、小さなお子さんがいるご家庭で、ウイルス除去の為にハイターなどの塩素系の薬品で床を拭いても大丈夫です。
塩素系の薬品が使えるフロアコーティングは、特殊UVコーティングのグッドライフコート色と、UVコーティングのグッドライフコート光と、ペットの為のフロアコーティングのドッグライフコートになります。
■家族構成でフロアコーティングを選ぶ
一緒に暮らす家族構成はそれぞれで、小さなお子さんと暮らす方もいれば、ペットと一緒に暮らす方と様々。
小さなお子さんと暮らす方は、フローリングの上でおもちゃを広げてフローリングが傷つくの防ぐために、塗膜が硬いフロアコーティングがおすすめです。
ペットと一緒に暮すのであれば、室内でペットが滑って怪我をしないように滑り止め効果のあるフロアコーティングを選んであげた方が良いし、ペットの爪で床が傷つくのが気になるようなら、塗膜の硬いフロアコーティングがおすすめです。
塗膜硬度が硬いフロアコーティングは、特殊UVコーティングのグッドライフコート色と、ハードガラスコーティングのグッドライフコートクリスタルと、ガラスコーティングのグッドライフコート竹になり、ペットと一緒に暮すのであれば、ドッグライフコートになります。
■価格でフロアコーティングを選ぶ
なんといっても気になるのはフロアコーティングの価格。水性コーティングは他のフロアコーティングに比べると、安価で提供されています。
しかし、1回の施工価格だけで安いと決めてしまうのは危険です。住宅を購入したら、その家に何十年と住むわけですから、20年、30年、40年間でフロアコーティングにいくらかかるのか試算してみると良いです。
価格が安いとされる水性コーティングは耐用年数も短く、耐用年数は5~10年になっています。5年おき、10年おきにフロアコーティングをお願いするなら、最初に30年以上の耐用年数があるフロアコーティングをしておいた方がイニシャルコストとランニングコストを足したトータルコストは安くなってきます。
・10万円で10年耐久 = 1年あたり10,000円
・13万円で20年耐久 = 1年あたり6,500円
・17万円で30年耐久 = 1年あたり約5,666円
・19万円で35年耐久 = 1年あたり約5,428円
イニシャルコストで考えると、「10年耐久>20年耐久>30年耐久>35年耐久」となっていますが、トータルコストで考えると順番が逆になっています。
イニシャルコストが安いフロアコーティングは、水性コーティングのグッドライフコートナノ、トータルコストが安いフロアコーティングは、ハードガラスコーティングのグッドライフコートクリスタルになります。
業者選びのポイント
フロアコーティングが流通し始めて35年前後とまだまだ若い業界です。その分、近年では異業種からの参入が多く、クリーニング業界、リフォーム業界、不動産業界等からの業界参入があります。
作業内容は、「掃除→下処理→コーティングの塗布」とハウスクリーニングのワックスがけと同じ工程で誰でも出来そうなイメージを持たれてしまっていますが、実は奥の深い作業になります。
・汚れに合った掃除方法でなければ汚れが取り切れず密着不良が起こる。
・掃除に手間暇を惜しめば、仕上がりに異物が混入する。
・床材に合った塗布量で施工をしなければ、塗りムラがでる。
現場ごとに職人の判断が重要になってくる為、下積みで沢山の現場を見てきた職人でないと、施工不良を起こしてしまいます。
業者の見極め方として、
・施工実績(創業年数・年間施工件数)
・施工員の待遇(正社員、アルバイト、外注、フランチャイズ、施工代理店)
・技術指導(マニュアルの有無・ISOの取得・現場長になるまでの年月)
極端に価格の安いフロアコーティング会社は、経験の浅い施工員が来る、施工員の待遇が悪くモチベーションの低い施工員が工事に来る、研究期間が短くイレギュラー対応ができない施工員が来る等のリスクがあります。
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フロアコーティングは必要?
フロアコーティングは必ずやらなければいけないという物ではありません。無垢のフローリングの場合は、年数が経過することによって、木独特の雰囲気が出てきますが、艶のでるフロアコーティングをかけると木独特の味を打ち消してしまいます。
最近主流のシートフローリング(MDF(段ボールのような素材)の上に木目がプリントされたオレフィンシートを張ったフローリング)はオレフィンシートに特殊加工がされていて水を弾き、汚れが付きにくくなっております。
但し、シートフローリングは下の写真のようにオレフィンシート自体が薄い為、シートが傷つくとフローリングを水拭きやアルコール拭きで掃除した時に下のMDFに水分が入り込んでしまいます。
表面は特殊加工されていてワックスと同じ機能をもっているため、ワックスフリーと呼ばれていますが、加工されていない下地のMDFは水を吸い込みやすい素材の為、フロアコーティングをすることによって薄いシートを保護して下地のMDFに水分が入らないようにする役割があります。
フローリングは毎日生活する中で、傷が付き、日焼けもして、徐々に傷んでいきます。
傷んだフローリングは張り替えればよいと思えばフロアコーティングをかける必要はありませんが、張り替える時は荷物の移動、部屋に入れない、貼り替え費用が高額といった問題点もありますので、長期的な視野でフロアコーティングをやった方が良いと思います。
フロアコーティングをする前の内覧会の重要性
新築で住宅を購入した時、建物の完成が近づくと内覧会が行われます。この内覧会は単なるお披露目会ではなく、住宅の瑕疵が無いかをチェックするとても重要な場となっております。
引き渡し後にインテリアオプションの工事をハウスメーカーではない別の会社に依頼する場合、内覧会のチェックをおろそかにすると、元からついていた傷についてハウスメーカーが認めないケースもあります。
入居後に瑕疵が見つかることも多々あるため。フローリング・壁・建具・設備の傷は元からついていた傷なのか?それとも入居後に付いた傷なのか?とハウスメーカーと揉めないように内覧会でしっかりとチェックする必要があります。
ご自身で瑕疵のチェックが難しい場合は、内覧同行を行っている会社もあるので、そちらに頼むのも一つの手段になります。
内覧会で見つかる瑕疵 | <建具のズレ> セパレートタイプのカップボードなどは隣り合っている部分が微妙にズレてる場合があります。水平器や分度器でチェックをしましょう。 <フローリングの傷> 複数の業者が部屋の中に入る為、床には無数の傷がついています。補修で対応している場合が多いですが、補修の見た目が悪い場合は、再度手直しをしてもらいましょう。気になる箇所にはマスキングテープを貼っておきましょう。 <床のきしみ> 部屋全体をくまなく歩いて下さい。小さな音が鳴るようでしたら、数年で大きな音へと変わっていきます。 <クロスの繋ぎ> クロスの繋ぎがしっかりしていないと隙間が空いて黒い線が入っているように見えます。白いクロスであればコーキングをうってもらいましょう。リピートクロスの場合、繋ぎがしっかりあっているか確認しましょう。せっかくの模様が台無しになってしまいます。 <配管の閉まり> キッチン、トイレ、洗面、浴室等の水まわりは全て水を流しましょう。下の配管で水気を感じたら配管の繋ぎが緩くなっています。 |
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内覧会に持っていく持ち物 | ・図面 ・懐中電灯 ・水平器 ・マスキングテープ ・ウエットティッシュメジャー ・筆記用具 ・カメラ |
当日の確認事項 | ・契約時の図面と相違がないか ・ドアが開く方向や収納、壁、窓、コンセントの位置や大きさに相違がないか ・床、階段、壁、建具は水平・垂直になっているか ・全体を歩いて床のきしみ、出っ張りはないか ・床、壁、建具に汚れ、傷、継ぎ目がないか ・ドア、窓、収納などの開閉はスムーズか ・水廻りの水圧は弱くないか ・水廻り下の配管で水漏れをしていないか ・床下に水跡がないか ・屋根裏に断熱材がしっかり入っているか ・外壁や基礎の表面にひび割れや欠損がないか |
気になる箇所があったら | 気になる箇所があったら、遠慮せずハウスメーカーの担当者に手直しをしてもらいましょう。当日話し合った内容に漏れが無いように全て書面で残しておくことが重要です。手直しは基本、補修となりますが、補修跡が目立つ場合は再度補修か、交換をお願いしましょう。 |