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コラム

ナノ銀の効果について

ナノ銀

ナノ銀の効果について考えてみる(ちょっと難しい話)


ナノ銀は空気中の酸素や水がナノ銀に接触することにより活性酵素(スーパーオキシドアニオンラジカル、ヒドロキシルラジカル(OHラジカル)、過酸化水素)を発生させます。

活性酵素を発生させるものはナノ銀以外にも酸化チタンがありますが、発生のメカニズムが異なり、ナノ銀は空気に反応、酸化チタンは光に反応します。ナノ銀は空気中の成分と反応することから空気触媒と呼ばれ酸化チタンは光と反応することから光触媒と呼ばれています

活性酵素には殺菌効果があり、ナノ銀と酸化チタンはウィルス対策として注目を浴びています。ただし、近年の住宅における照明はLEDランプが主流となり、波長の弱いLEDランプの場合、光触媒は活性酵素を発生させるものの、屋外に比べて効果は弱くなります。

また光触媒は、家を不在にする時に照明をOFFにして出かけてしまうため、活性酵素を発生させるのは在宅中だけになるという欠点もあります。

一方、空気触媒は空気と反応する為、光が当たらなくとも、水中など空気のない場所でない限り活性酵素を発生させるので、活性酵素を用いた住宅内のウィルス対策としてはナノ銀の方が優れていると言われています。

活性酵素がウィルス対策になる理由


活性酵素の中で注目したいのがヒドロキシルラジカルで、ヒドロキシルラジカルを元素記号で表すと・OHとになります。このヒドロキシルラジカルの特徴は単体での形成が不安定で、他の物質からHを強引に奪う性質があり、他の物質からHを得たヒドロキシルラジカルは・OHにHが加わりH2O、つまり水となり形成が安定します。

そして、Hをヒドロキシルラジカルに奪われてしまった側の物質は、形状が不安定になり、形状を維持することが出来ず、分解されます。これが殺菌・消臭になります。化学では、酸素と結びつくことを酸化と言いますが、物質からHを奪われることも酸化といいます。

このHを奪う物質は他にもあり、イオンやオゾンも同じ性質を持っています。オゾンの元素記号はO3で、酸素のO2にOが一つ余分に付いています。O2は強く結合していますが、オゾンはO2にOが一つ余っていて、余ったOが他の物質と結びつく機会をうかがっています。オゾンも他の物質からHを奪う事により、O2とH2Oになり、形状が安定します。

ヒドロキシルラジカルが注目されるわけは、オゾンと比べてHを奪う力が強いことにあります。そして、オゾンは高濃度になると人害となり、狭い空間でオゾンを発生させ続けると、高濃度の空間となり人に害を与える存在となります。それに対して、ヒドロキシルラジカルは無害で室内での使用に適した存在と言えます。

ヒドロキシルラジカルを初めて聞いた方もいると思いますが、身近なところで大活躍しているのをご存知でしょうか?エアコンや空気清浄機において、今や殺菌・消臭は当たり前になっていますが、その中で空気の洗浄に力を入れているパナソニックのナノイーも実はヒドロキシルラジカルの効果を用いたものになります。

住宅内における触媒の施工場所を考える

近年の住宅は、空調施設の発達と、2003年の建築基準法改正による24時間換気システムの義務化により、室内の空気は巡回しています。空気中には無数の菌やウィルスが存在し、空気の循環により菌・ウィルスは壁・床にぶつかり付着します。そして、壁・床に付着した菌・ウィルスはエアコンの風により再び室内に舞い散ります。

近年のコロナ騒動の対策で手洗いを徹底する人も増えたと思いますが、菌・ウィルスは衣服にも付着し、手洗いだけで室内の衛生を保てるわけではありません。

衣類の付着により室内に持ち込まれた菌・ウィルスは、室内で空気の巡回で舞い、壁・床に一度は付着することを考えると、余り触れる機会のない壁・床でも対策への効果は大きいと言えます。

雑談

先日テレビを見ていると、NHKの「チコちゃんに叱られる!」で滅菌・殺菌・除菌・抗菌の違いがテーマになっていました。

滅菌 = 菌を滅ぼす(全滅させる)
殺菌 = 菌を殺す
除菌 = 菌をどかす
抗菌 = 菌の繁殖を抑える

住宅において、抗菌は今や当たり前の機能で、サニタリー品(トイレ・ペーパーホルダー・洗面台等)は勿論の事、壁紙も抗菌仕様になっています。抗菌と聞くと安心感を覚えますが、抗菌はあくまでこれ以上菌が増えないという物で、菌を殺しているわけではありません。ウィルス対策として最も力を入れるべきは殺菌以上になります。

ウィルス対策グッズに○菌と書かれていたら、滅菌・殺菌・除菌・抗菌のどれにあたるか良く見て購入するのが良いでしょう。