フロアコーティングを施工した床は「水拭きOK・アルコール拭きOK」となっています。床の水拭きは聞いたことあるけれど、床のアルコール拭きなんて聞いた事ないですよね。そもそも床掃除専用アルコールも売ってないし、床掃除は水拭きで十分なのでは、と思いますよね?
しかし、もしアルコール拭きが出来たらなかなか落ちない汚れが付いてしまったときにも安心です。そんなフローリングのアルコール拭きについて今回は考えていきます。
床掃除専用アルコールが売られていない理由
基本的にフローリングの掃除にアルコール拭きはしません。出来ません。アルコール拭きは床ワックスと相性が良くありません。なぜなら、アルコールは油を溶かす性質があるからです。
キッチン用で売られているアルコールスプレーを思い出して下さい。ガスコンロやレンジフードにこびり付いた油汚れにアルコールスプレーを吹きかけると簡単に油汚れを落としてくれます。
床ワックスは油が成分に入っており、床ワックスにアルコールスプレーを使うと、床ワックスが溶けて白化してしまいます。
女性の方で経験がある方もいると思いますが、除光液をフローリングに垂らして床が白くなったことありませんか?
アルコールは床ワックスとの相性が悪い為、床掃除専用アルコールなるものは売られていません。
フロアコーティングはアルコールに溶けない
油性のフロアコーティングは床ワックスと違い、アルコールで溶けることがありません。全てのフロアコーティングではなく、あくまで油性のフロアコーティングです。
アルコールで溶けないという事は、掃除でアルコールを使ってもOKという事です。床掃除専用アルコールは販売されていないので、キッチン用を使って大丈夫です。
ちなみに水性のフロアコーティングの場合だとアルコールで溶けてしまいます。
余談
「油性だから油ではないの?」と思うかもしれませんが、油性は油ではありません。有機溶剤を使っている塗料を油性といい、油の様な性質を持っている事から油性と呼んでいます。
アルコール拭きの効果
先程述べたように、アルコールには油を溶かす性質があります。キッチン下にマットを置いている方も多いと思いますが、揚げ物、炒め物は想像よりも広範囲に油が飛び散ります。飛び散った油で汚れた床は、水拭きで掃除をしてもなかなか綺麗に汚れを取ることが出来ません。
サラダドレッシングで分かるように水は油を吸着しません。しかし、アルコールなら油を分解して吸着してくれるので、簡単に綺麗になります。
油はキッチンに限った事ではありません。人の肌は毛穴から皮脂(脂=油)が出ています。スリッパを履かずに歩いたり、地べたに座るとき床に手をついたり、汗を拭いたタオルを床に置いたり。何気ない行動で床は脂と接しています。
アルコールのもう一つの効果に消毒・殺菌があります。空気中には無数の菌やウィルスが舞っています。菌やウィルスは空気より重たいので、無風であれば地面に降りてきます。
リクシルのタイル建材「アレルピュア」でも説明されていますが、床上50cmには沢山の菌やウィルスがいます。床をアルコール拭きすれば降りてきた菌やウィルスを殺菌してくれます。
汚れ落としは洗剤よりアルコール
頑固な汚れを落とすには中性洗剤を使う方法もあります。中性洗剤には油を吸着する界面活性剤が入っています。しかし界面活性剤は油を吸着する力があっても油を溶かす力はありません。
頑固な汚れであれば、ゴシゴシと擦らなければ落ちません。界面活性剤には研磨成分が入っていますのでゴシゴシと擦れば床は傷ついてしまいます。さらに、中性洗剤を使用した場合、掃除後に洗剤を綺麗に拭き取らなければいけません。
洗剤が残ったままだと子供やペットが万が一床を舐めてしまうと大変な事になってしまいます。
その点アルコール拭きなら掃除後にアルコールを拭き取らなくても大丈夫です。(アルコールアレルギーがある方は除く。)アルコールは揮発(蒸発)が早く、少量ならすぐに揮発してくれます。但し、アルコールは近くに火気があると引火する恐れがあるので、火気に気に付けて掃除をしてください。
まとめ
通常のフローリングではアルコールを使用して掃除をすることはできませんが、フロアコーティングを施工した床ならアルコールを使って掃除することが可能になります。
油汚れは見た目だけでなく、放置しておくと菌が繁殖したり、黒いヤツの栄養源となります。床掃除にアルコールが使えるようになると、簡単に掃除が出来て、より一層お部屋を清潔に保つことが出来ます。