インテリアオプションでフロアコーティングの認知度が高まり、新築を買ったらフロアコーティングを施工する人が増えてきました。
フロアコーティングを施工する人が増えれば、フロアコーティングを取り扱う会社も当然増えてきます。新たに参入された会社では、フロアコーティングの施工技術や知識が圧倒的に足りない会社もあります。
そうした施工技術不足、知識不足の会社・職人さんが起こしてしまう施工不良でよく耳にするのが密着不良。フロアコーティングが剥がれてしまうというものがあります。今回はフロアコーティングが剥がれてしまう原因をご説明します。
何故フロアコーティングが剥がれるのか?
原因① コーティング剤の性能不足
フロアコーティングは外壁のペンキと同じで塗料です。塗料には専用塗料と多目的塗料があります。専用塗料は塗れるものが限られてしまいますが、塗る物の性質を把握して作られているので不具合が起こりません。
一方、多目的塗料は色々な物に塗る事が出来ますが、一つの対象物に対しては突き詰めて製品開発をしていないので相性が悪い場合もあります。密着不良が起きるのは多目的塗料を使っているフロアコーティングです。
フロアコーティングの専門店では専用塗料を用いていますが、専門店ではない会社は多目的塗料を用いている場合があります。フロアコーティングを塗るフローリングは種類が多く、一つの床材に塗れたからと言って全てのフローリングに塗れるわけではありません。
原因② 下処理不足
フロアコーティングを塗布する前にフローリングを綺麗に掃除します。新築物件であっても、フローリングには汚れや油分が付着しています。この汚れや油分の取り除きが甘いとフローリングとフロアコーティングの間に異物が挟まってしまい、フローリングとの密着を遮ってしまいます。
ゴミなどの汚れは仕上がり時に分かりますが、油分の取り除き忘れは仕上がり時に気づかず、後々になって施工不良として現れます。
原因③ 乾燥不足
下処理の段階で汚れや油分を取り除くのに、水やアルコールを使用します。使用した水分の乾燥を待たずに、フローリングに水分が残っている状態でフロアコーティングを塗布しても水分が密着の邪魔をしてしまいます。
プライマー(下地剤)を入れた2層塗りの場合も、プライマーが固まる前にトップコートを塗布しても、プライマーの接着剤の機能が上手く作用されません。時間短縮で乾燥時間を短くすれば、密着不良という結果を招いてしまいます。
原因④ 塗料配合ミス
塗料には1液タイプと2液タイプがあります。1液タイプの塗料は市販のワックスと一緒で、容器から空けてすぐに使うことが出来ます。
一方、2液タイプの塗料は、使用する直前に「希釈剤」別名「薄め液」を混ぜてから使用します。「薄め液」という名前から水増しをイメージされてしまいますが、決して塗料を薄めているわけではありません。2つの液剤を混ぜ合わせることによって化学反応を起こし、塗料としての機能を持たせるものになります。
この配合は混ぜ合わせる量の配合率が決まっていて、配合率を間違えると、塗料としての機能が発揮しなくなります。
子どものころに塗った絵具をイメージして下さい。絵具は水で薄めて塗りますが、水の量が少ないと、絵が完成した後、こすると絵具が落ちてしまいます。水を入れすぎると、こすって落ちる事は無くても、色が薄くてムラだらけの絵になってしまいます。
配合ミスで密着不良が起きるのは2液タイプの塗料になります。職人の目分量で混ぜ合わせて作られる液剤は当てになりません。目分量で作る職人の言い分としては、気温、湿度で配合を変えるというものが有ります。
気温、湿度で変えるという言い分はあっていますが、配合率は○%~○%と気温、湿度の違いによっても配合率はしっかりと決まっています。決して目分量で測れるものではありません。塗料を作るには測りでしっかりと決まった量を混ぜ合わせる必要があります。
原因⑤ 足付けの有無
足付けとは、塗料を塗る対象物の目を荒らして凹凸をつけることです。塗料の密着は「密着力×表面積」になります。ツルッツルの表面に塗料を塗るのと、凹凸のある表面に塗料を塗るのでは密着が変わってきます。
フローリングは種類が多く、凹凸があるものとフラットのものがあります。凹凸があるフローリングは表面積が大きく密着し易いですが、フラットな床材は足付けをしないと密着力が弱くなります。床材によって施工工程を変える知識がないとフロアコーティングを塗ることが出来ません。
原因⑥ 照射不足(UVコーティング)
フロアコーティング剤を硬化させるには、自然乾燥とUV照射があります。自然乾燥は市販のワックスと同じで、塗った後は何もせず固まるのを待ちます。UV照射はUV塗料に用います。塗った後UVを当てて硬化させますが、UVを当てなければいつまで待っても硬化することはありません。
原因⑦ 取扱いミス
フロアコーティングには取扱い方法で粘着テープの使用が禁止になっています。フロアコーティングの上に粘着テープを張ってしまった場合、剥がす時に粘着テープと一緒にフロアコーティングが剥がれてしまいます。
施工不良でフロアコーティングが剥がれてしまった場合は、無償で手直しをしてもらえますが、粘着テープを使って剥がれてしまった場合はお客様の過失となりますので手直しは有償となってしまいます。くれぐれも取扱い方法を守って使用して下さい。
まとめ
フロアコーティングが剥がれる原因は「製品不良」、「施工不良」、「お客様の過失」がありますが、大半の原因は施工不良です。
フロアコーティングをお願いする会社を決めるとき、ポイントはいくつかあると思います。価格、担当者の対応、商品力、施工技術。全て叶えている会社が有ればよいのですが、どの会社も一長一短がありますので、施工技術でご検討はいかがでしょうか?