最近のフローリングはシートフローリングが主流になってきました。「シートフローリングって何?」と思う方もいるので簡単にフローリングから説明させていただきます。
フローリングは大きく分けて2種類。単層フローリング(無垢フローリングとも言う)と複合フローリング(合板フローリングとも言う)があります。
単層フローリングは字のごとく、1つの木から出来ています。1本の木をフローリングの形にカットして出来たものです。
それに対して複合フローリングは板を重ねて作られたものです。イメージとしてはミルフィーユです。いくつもの板を重ねて作られたのが複合フローリングになります。単層フローリングか複合フローリングかは横から見れば分かります。
さらに複合フローリングは挽き板フローリング、突き板フローリング、シートフローリングに分かれます。重ねた板の表面に薄く切った木を貼り付けて仕上げますが、その木の厚さが2~3mmなのが挽き板フローリング、0.2~0.6mmなのが突き板フローリングになります。0.2mmってすごく薄いですね。そして、木目が印刷された紙を貼っているのがシートフローリングです。なんと木ではなく紙(゚д゚)!
なぜシートフローリングが主流なの?
日本には四季があり、湿気の多い季節と乾燥する季節があります。単層フローリングは木そのものなので、湿気を吸って伸縮をします。フローリングが伸縮をする事によって、木が反り上ることもありますし、繋ぎ合っている隣の板とすれて床鳴りを起こします。
京都の知恩院や二条城の様に綺麗な音が鳴れば良いですが。( ゚Д゚) 日本の風土には単層フローリングは合わないですね。(逆に経年変化を楽しみたい方は単層フローリングがお勧めです。)その点シートフローリングはあまり伸縮をせず、不具合が起こりにくくなっています。
その理由は、印刷された紙の下がMDFで出来ているからです。MDFって何ってなりますよね?略さずにいうとMedium Density Fiberboard。中密度繊維板。余計意味が分からないですね。木材などの繊維物質を蒸煮解繊して(ようは溶かして)固めた板です。
再生紙を作る工程をイメージして下さい。圧力をかけて固めるので他のフローリングより強度も強くなり、多少の湿気でもフローリングが変形しないので日本の風土に適しているフローリングになります。さらに表面の紙は水を弾くオレフィン加工もされています。単層フローリングよりも汚れが付きにくくなっています。
こんなに強いフローリングなら何もしなくても良い?
シートフローリングが主流な理由を聞くと、フロアコーティングはいらないと思いますよね。強度が有って、汚れが付きにくい。フロアコーティングの特徴と一緒です。滑り止め効果はありませんが。
ちょっと待って!!
確かに強度があって傷が付きにくいので、フロアコーティングが必要ないように思いますよね。
しかし、それは最初だけです。
なぜなら、生活をしていれば、フローリングは傷つきます。最初にお話ししたように、表面は紙一枚を貼っているだけ。強度が硬いのは中のMDFですが、表面の紙には強度がなく簡単に傷つきます。傷が付いた紙の所から水分が入れば、表面の紙は剥がれて(接着剤は水に弱いです)いき、MDFに水が吸収されて膨れていきます。
ダンボールと一緒で乾燥している状態では硬くても水に濡れると「ふにゃふにゃ」になってしまいます。フロアコーティングは弱い紙の上に固い塗膜を乗せます。傷が付くほどの強い衝撃が有った場合でも、傷が付くのは紙ではなくフロアコーティングの塗膜が傷つくだけ。表面の紙が傷つくのを防いでくれます。
表面の紙はこんな感じに剥がれます(>_<)
シートフローリングにフロアコーティングは必要
油性のフロアコーティングは20年以上フローリングの上に塗膜を残してくれます。言い方を換えると20年以上フローリングが傷付くのを守ってくれます。
フロアコーティングを施工しなかったシートフローリングが傷付かずにいられるのはわずか数年です。傷ついた表面に雑巾がけを行えばたちまちフローリングは傷んでしまいます。
なんと床材メーカーのフローリングのお手入れ方法は「乾いた雑巾やモップで拭いて下さい」。さらに「水拭きを頻繁に行うと、ヒビ割れ、膨れ、表面はがれが生じることがあります」とも書いてあります。それだけ、シートフローリングは水分に対して敏感な商品なんです。
お掃除で水拭きができないなんて想像できない( ゚Д゚) そもそもマンションや戸建てを買った時、濡れ雑巾を使っちゃいけないなんで聞いてない(# ゚Д゚) なんて人も多いのでは?
フロアコーティングの特徴はお掃除が楽になる事。水拭きやアルコール拭きが出来るとお掃除がサッと終わります。フローリングの美観とお掃除の労力を考えると、長期にわたってフローリングを保護してくれるフロアコーティングはやっぱり必要なものではないでしょうか。